2005年4月10日日曜日

伝統工芸の危機

伝統工芸職人と聞くと、あのロクロを回しながら粘土捏ねたり、ツナギを着てお寺を造ったりする頑固な職人を思い浮かべる。他にも木工や和傘、漆器、染め物や織物など地域に根付く伝統的な技術を継承する伝道師だ。

伝統工芸品は、そういった職人の手によって一つ一つ精を込めて創られ、妥協は許さない代わりにその製品には職人が責任を持ってメンテナンスを行う。自分が創ったタンスが壊れたとなると、遠方まではるばるやってきて、無性でメンテナンスを行い、また、一人一人の要望に応えてちょっと高さを変えたり、材料を継ぎ足したりして、長く使えるようにサポートしてくれる。人間的なモノづくりの原型で、オーダーメイドの典型だなーと思う。

手作業なだけに時間もかかるし、素材にこだわるから材料費もかかる。細かい細部までちゃんと意識が行き届いているから精神力も使う。

小さな町工場なども同じ状況と言われる。

そんな素晴らしい仕事も、この時代性ではかなりの圧迫を受けていると言われる。

薄利多売、大量生産、大量消費、、、

一つ一つは安価で、質はそれなり。壊れてしまったら新しいものを買えば良い。

どうやって利益を生むか、が日本のメーカーでは勝負になっていて、消費者からしても「商品の質?価格に見合っていれば良いや。」と言われる。消費者の“本当に良いモノ”への意識が低下している時代。

富裕層にはブランドにモノを言わせて、高いものを売る。本当に大事なのはブランドじゃなくて、モノの個々の質なのにそれには気づかない場合が多いという。

と、エラそうに書いたけど、自分もその歯車の一つなんだなと思うと悲しくなってしまうな。

「自分なりに本当に良いと思えるものに、やせ我慢してでもお金を出すと、自分のモノへの意識が守られる気がする」と先生がおっしゃっていたけど、「確かに!」とものすごく納得してしまった僕でした。