僕は、「最近蓄積する価値」という観点に興味を持っています。
「——えっ?蓄積?そんな価値あるの?」って感じになるかもしれませんが、あるんです。
一例としては上の写真の時計。
長い間海底に沈んでいた船乗りの目覚まし時計。船乗りを起こし続けた目覚まし時計が何かの拍子に海へ落ち、朽ちてしまったような…そんな物語を感じます。
この時計の針がプラスチックではいけなかっただろうし、数字があってはいけなかったかも知れない。とにかく、今目の前にあるこいつが、どれだけの時間を経て、どんな経験を積んでそこに居るのか?
こいつが自分の手元へ来るときにどんな責務を背負ってここへやってきたのか?
そういった、「モノの背景にある見えないメッセージ」が「蓄積する価値」の正体だと感じます。その見えないメッセージが蓄積して一つの模様や、マテリアルになるということに最近興味を持ち始めました。
これは卒研のときに出会った、アメリカのトラックの荷台用シートをリユースして作られたメッセンジャーバッグで、シートとして使われていたときの傷がそのまま表面に見えています。トラックで実際に使われていたという事実が、このバッグの力強さを印象づけています。
手紙には送り手が受け取り手の為に込めたメッセージや真心が密に詰まっています。
手紙は文字を読むことはもちろん重要なことです。が、僕が言いたいのは、この手紙として心を込められた「紙」としてのマテリアルであるということです。例えばこれが、裏紙として折り紙として姿を変えたら?細かく砕いて枕の中に入れたら?樹脂で固めて机にしたら?
「心を込めて書かれた」という価値が、蓄積して初めて出来上がる価値があるんじゃないかな?と思います。
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